被爆証言CD第4作目原爆と日常

原爆と日常
A5判・148頁・仮製本CD-ROM付
定価 本体1,200+税 円
ISBN978-4-86327-138-8 C0036/2011年4月15日発行






《著者紹介》

今石 元久

県立広島女子大学教授。博士(文学)。
広島大学卒。
広島女学院大学講師、鳥取大学助教授、鳴門教育大学教授、県立広島女子大学教授を経る。中国、シンガポール、オーストラリア、アメリカ、カナダ、 韓国ほかの大学を多数訪問し、講演も行う。

『日本語音声の実験的研究』(和泉書院)、『日本語表現の教育』(国書刊行会)、 『原爆60年の声』(自家)、『音声研究入門』(和泉書院)、 『人類の危機に立ち会った人たちの声』(溪水社)、『音声言語研究のパラダイム』(和泉書院)、 『原爆の少女たち』(溪水社)、『原爆の声』(溪水社)など。

■「中国新聞」文化欄(2011年7月5日付)で紹介されました。


◆目次

私の研究と原爆
マンモスの牙
2010年の平和宣言について
日常的な言葉がまざった被爆証言(ヒロシマ)―新田篤実さんの場合―
被災体験談資料のリアリティー
日常的な表現への特化
 (1)ピカドン(原子爆弾)
 (2)ピカ(原子爆弾)
 (3)きのこ雲(原子雲)
小説『黒い雨』と広島弁
 (1)作品における「がんす」表現
 (2)作品における「なんだ」表現
『ヒロシマ日記』と岡山弁

結びにかえて
余滴

後  記
参考文献
索  引

(「『ヒロシマ日記』と岡山弁」より抜粋)

8月7日
 蜂谷さんの体には無数のガラスの破片が突き刺さっていた。蜂谷さんは負傷者の呻き声で目を覚ましたとある。病院の内外は負傷者でいっぱい。この日はけが人で大混乱。 悲劇がリアルで詳しい。
 岡山の医師会長さんがお見舞いにきた。会長さんは岡山弁。また、日記には、ようやく、オオゴト(大事)、オオメゲ(大破)など、ポツリポツリ、 岡山弁が飛び出していた。「何もかもわやじゃ」(みなむちゃくちゃだ)とか「・・行っとらあ」(行っているわい)とか独特のものいいは岡山県下の日常語。蜂谷さんが「秋山君」と 呼ぶ人物は岡山出身であろう、彼は岡山弁まるだしであった。蜂谷さんもまたざっくばらんなお人のようであった。
 負傷者の呻き声や泣き声などで、病院も大混乱。とにかく、「広島全滅」という、街が廃墟と化した様子がとてもリアルに綴られている。