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広島・長崎の被爆者の肉声をCDと活字とで記録

四六変形70頁・上製本カバー付
定価945(本体900+税)円

ISBN978-4-86327-000-8 C0036 2008年1月10日発行


《編著者紹介》
今石 元久
県立広島女子大学教授。博士(文学)。広島女学院大学講師、鳥取大学助教授、鳴門教育大学教授、県立広島女子大学名誉教授を経る。中国、シンガポール、オーストラリア、アメリカ、カナダほかの大学を多数訪問し、講演も行う。『日本語音声の実験的研究』(和泉書院)、『日本語表現の教育』(国書刊行会)、編著 『原爆60年の声』(自家)、『音声研究入門』(和泉書院)、『人類の危機に立ち会った人たちの声』(溪水社)、『音声言語研究のパラダイム』(和泉書院)など。

森下 峯子
Northeastern Illinois University、Western Michigan University 大学院(英語科専攻)(1979-80、1981)留学。広島女学院大学大学院言語文化研究科英米言語文化専攻博士後期課程単位修得。広島女学院大学文学部英米文学文化学科非常勤講師。世界連邦運動協会広島支部事務局長。「スタインベック『怒りの葡萄』の方言の音韻的、音響的分析ー二重母音についてー」『言語の空間ー牛田からのアプローチー』249−65(英宝社、2000)など訪欧親善使節団アウシュビッツ収容所跡訪問・パウロ6世謁見(1969年)・イスラエルヤドバーセンで広島デーを持つ、ヨハネ・パウロ2世謁見(1986年)


◆目次

松添 博さんの肉声(ナガサキ)
 はじめ
 福留美奈子ちゃんのお墓
 史子ちゃんだ!
 お母さん、死なないで!
 少女桜
 銅像の建立
 ふりそでの着物
 人間愛の培養
森木葉子さんの肉声(ヒロシマ)
 はじめ
 平和の種
 爆弾が落ちる
 臨死状態
 冷たいトマト
 カタパン
 ビクトリー?
 バラックの教室
 友愛の精神
 平和の灯
 わたしの好きなことば
 苦しみの中のビクトリー
補記
 1 死体の野焼き
 2 松添博さんの絵
 3 森木葉子さんの証言と平和活動
備忘録
 1 被爆者〔広島在住森木葉子さん〕のDAT収録の概要
 2 被爆者〔長崎在住松添博さん〕のDAT収録の概要
 3 私(今石元久)の提唱 
あとがき
索  引


「少女桜」より

HM: かわいい盛りの女の子を亡くして、家族はどんなに悲しい思いをしたんだろうかなあと、こう、見て通ったんですよねえ。ほ(それ)で、ほんと(ほんとうに)、僕は不思議に思うのはですねえ。なぜここを、僕は通ったのか、ほんと(ほんとうに)、めーった(めったに) 通らないところを僕は通った。今考えてみますとね、この二人の少(女の)魂(たましい)がですよ、ね、呼び寄せて、記録させて、将来探してある(いている)人たち(に)伝えてほしいて(と)僕に約束しさせたと思うんですよね。だから、その、(美奈子ちゃんの)お母さんが見つかった(史子ちゃんの)叔母さんが見つかったということを考えたらですね。僕は「あー、やっと約束をはたしたなあー」と思うのですねえ。(それ)で、(富山では、お父さんのたった一人の)親友(クラスメイト)が、この、この人も偶然ですけどねえ、テレビで見と(てい)るわけですよ。「あっ、史子ちゃんだ」って(と言って)、すぐ(「悲しき別れ 荼毘」という絵の)「写真を、もう、くれ」て(と言って)……電話があってですね、僕は写真を送ったんですよね。その人は毎日(「悲しき別れ 荼毘」という絵の)写真を仏壇(ぶつだん)に、あのー、飾って、毎日お経をあげて(い)る。僕は、ああー、やっと、これ(で)、二人の少女の約束を果たした、知らせることが(できた)、やっと約束が果たせた、ほっとしたんですね。ほっとしたらですね、僕は不思議なことにですね、原爆療養センター、被爆者療養センターて(と言うところが)あるんですよ。そこの所長になってくれって(と)言われたんですよね。「ええ」。全然、前の職場(消防署(しょ))とちがう場所ですからねえ。ありゃー、なんでだろうかなあ。僕は、「あー、こ(りゃ)、きっと二人の少女が恩返しに僕に、見つけてくれたんだなあと思(っ)て帰りのバスの中で涙がとまらんかったですよねえ。
(略)
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