検索結果一覧
空の区別 中観派哲学と区別のシステム理論

- 西菜穂子
- A5
- 332
- 6,930円 (本体6,300円 )
- 2024年11月20日
- ISBN978-4-86327-653-6
- C3010
- 哲学・宗教
- この世界を生きる自己への問い――
認知科学、社会学、西洋哲学、東洋哲学の記述を、区別および仏教の「空」の思想を通して考察する。
渓水社で購入する | |
---|---|
オンライン書店で購入 |
- はじめに
第1章 『身体化された心』の問題提起
第1節 身体化論提唱の背景
1『身体化された心』の動機
2 認知主義批判
3 同書の仏教理解の問題点
4 科学(学問)と日常の自己
第2節 身体化論と仏教思想からの示唆
1 心の科学と自己
2 自己の根拠 無根拠性
(1)自己の根拠
(2)色の認知 行為からの産出
(3)無根拠性
3 エナクティブ・アプローチと自我のない状態
第2章 ルーマンの理論
第1節 区別・観察
1 システムと環境
(1)差異理論としてのシステム理論
(2)区別・観察
(3)二値コード
(4)オートポイエーシス
(5)社会 意味 言語
2 自己
(1)「個人」の同一性と観察者
(2)意識と
3 世界
(1)世界の観察とパラドックスのコミュニケーション
(2)時間
(3)世界と沈黙すること
4 科学システム
(1)科学システムという観察形式
(a)Wissenschaft の規定
(b)複雑性
(c)偶然(Zufall)
(2)基礎づけ可能性
(a)観察の記述
(b)科学の「説得性」
第2節 神の区別
1 宗教システム
(1)ルーマンのアプローチ
(2)宗教システムにおける意味
(3)宗教のコミュニケーション
2 内在と超越
(1)内在と超越を扱うこと
(2)宗教システムのコード「内在/超越」
3 仏教哲学への関心
(1)ルーマンの神概念
(2)ルーマンの仏教観とキリスト教的コスモロジー
(a)仏教についての記述
(b)西谷の思想に対する理解
(c)キリスト教的コスモロジー批判
(3)ブラフマンについての言及
第3章 ナーガールジュナの哲学
第1節 ヤスパース「ナーガールジュナ」
1 西洋における中観派哲学の受容
2 帰謬法の西洋哲学からの解説
3 思惟と非思惟
4 空性 die Leerheit
5 東洋と西洋の自己
第2節 中村元『龍樹』
1 中観派の概略
(1)歴史的背景と文献
(2)論敵・説一切有部の思想
(3)帰謬法
2 空
(1)「空」の受容
(2)中道
(3)縁起
(4)空見
(5)空と救済
3 我 アートマン
(1)行為主体
(2)アートマン
(3)アナートマン
4 空と涅槃
(1)我と涅槃
(2)二諦と絶対的な智
5 比較思想的考察
第3節 ナーガールジュナ論の総括
1 有と無の対立とその観察者
2 空・縁起・中道 そして時間
3 現象世界
第4節 インド哲学とナーガールジュナ
1 インド思想とギリシア思想
2 ヴェーダーンタ思想 ブラフマン
(1)シャンカラの不二一元論
(2)時間という無明と世界の展開
(3)至高のブラフマンと区別の統一
3 アートマンとブラフマン
(1)個人存在とアートマン
(2)ヴェーダーンタと仏教のアートマン、そしてブラフマン
4 自我のない行為
第4章 西洋の内在と超越・東洋の空と涅槃
第1節 ニコラウス・クザーヌスの否定神学とナーガールジュナ
1 否定神学の神
2 神の観照
第2節 ルーマン理論と仏教思想
1 ルーマンの仏教理解
2 「キリスト教の神」とルーマン
(1)神の対概念
(2)偶発性の定式
(3)キリスト教とルーマン
第3節 内在の営為と空
第4節 伴われてあること 菩薩とイエス
おわりに
あとがき
文献
索引