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子ども主体の造形表現への変革 ―宮武辰夫の〈生きもの〉思想を土台とした方法論〈全身のスクリブル〉と実践―

著者
大須賀隆子 
シリーズ
 
助成
 
判型
A5 
ページ
348 
定価
5,500円 (本体5,000円 )
発行日
2023年8月31日 
ISBN
ISBN978-4-86327-632-1 
Cコード
C3037 
ジャンル
音楽・美術
 
内容
1950年代、子どもに型通りの描き方作り方を教え込んでいた大人中心の美術教育を、子ども主体の創造的な造形表現へと変革した宮武辰夫。子どもの自由で全身的な遊びから生れる感情や想像力を、創造的な造形表現へと導いた方法論と実践は、生成AIにはできない、生きものである子ども主体の保育へのヒントに溢れている。
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序 章 本研究の背景と目的
 第1節 問題の所在
  1 1950 年前後の保育の状況
  2 1950 年代の幼児美術教育の実態
  3 幼児美術教育に「革命」を起こした宮武辰夫
 第2節 先行研究
  1 二つの先行研究
  2 宮武がもたらした六つの新しい視点
 第3節 本研究の目的と構成

第1章 宮武の青年期以降の美術教育思想
 第1節 東京美術学校時代の〈生きもの〉思想の萌芽
  1 明治期末から大正期にかけて
  2 自由画教育へ
 第2節 戦前と戦後を貫く思想
  1 原始芸術探検から幼児美術教育実践へ
  (1)原始芸術と幼児美術との共通点
  (2)平和で民主的な社会実現への願い
  2『 アラスカに原始藝術を探る』から『アラスカ探検 少年探検小説』へ
  (1)アラスカ先住民族のトーテムポール
  (2)アラスカ名物「海狸のお城」
 第3節 幼児美術教育実践と〈白い生きものシャートレー〉
  1 〈白い生きもの〉
  2 幼い野性の求める遊び場
  3 媒体としての《シャートレー》
 第1章の結論

第2章 宮武の幼児美術教育方法論の背景にある美術教育論
 第1節 フィンガー・ペインティングとの出会い
  1 芸術基礎教育と精神衛生
  2 フィンガー・ペインティングが思想の中心
 第2節 創案者ルース・F・ショウとフィンガー・ペインティング
  1 子ども自身の体験から学ぶショウ・スクール
  2 子ども自身の体験の表現
  (1)「私が教えることを私に教えてくれた子どもたちへ」
  (2)「指は筆より前からあった」
  (3)教師の役割
  3 創造的表現手段としてのフィンガー・ペインティング
  (1)創造的表現手段
  (2)表現の特徴
  4 精神衛生とフィンガー・ペインティング
  (1)情緒的な障害の表現と消失
  (2)子どもの教師への信頼感
  (3)臨床心理学とフィンガー・ペインティング
 第3節 スクリブル論
  1 グレツィンゲルの身体感覚記憶としてのスクリブル論
  (1)「子どもに一層役立つものを」
  (2)水棲動物の地上体験
  (3)スクリブルと言語世界
  (4) 両手描きと心身の解放
  2 フローレンス・ケインのスクリブル運動論
  (1)子ども中心主義と深層心理学
  (2)身体と創造的過程
  (3)無意識の軌跡
  (4)無意識のスクリブルと自己への信頼感
  (5)スクリブル運動から生まれる〈生きもの〉感
 第2章の結論

第3章 宮武の幼児美術教育方法論の開発と展開
 第1節 ニイディング〈こねくり〉の重視
  1 「伝統派と正反対のフインガー・ペインテング」
  2 「背中の真中で描く」
  3 〈こねくり〉と足さばきで造る粘土工作
  4 「全身をぶっつけた工作の肉体化」
 第2節 スクリブル〈ぬたくり〉論の着手と展開
  1 スクリブルと精神衛生
  (1)筋肉運動と精神生活の始まり
  (2)アーティスティック・プロセスの始まり
  (3)「命名期」における想像力と無意識領域
  (4)生活のなかのスクリブル
  (5)〈生きもの〉と型の模倣
  (6)スクリブルに適した素材と描画環境
  2 感覚をひらく〈全身のスクリブル〉
  (1)眼で描くスクリブル
  (2)感覚をひらく〈全身のスクリブル〉
  3 生活の必然性から生まれる〈全身のスクリブル〉
  (1)遊びと一体になった〈全身のスクリブル〉事例
  (2)図鑑の模写を救ったスクリブル事例
  (3)蟻の巣の〈全身のスクリブル〉事例
 第3節 子ども主体の造形表現への変革と〈全身のスクリブル〉
  1 〈全身のスクリブル〉によって紙の外に出た造形表現
  2 子ども主体の造形表現への変革と精神分析
  第3章の結論

第4章 宮武の幼児美術教育方法論の成果
     ─ 1959 年刊行『児童画評価シリーズ1』に着目して─
 第1節 『児童画評価シリーズ』の背景
  1 1950 年代後半の児童画をめぐる「混乱」
  2 感覚・感情主義派と認識主義派
  (1)価値体系の混乱という時代背景
  (2)子どもの「美」的認識は生得的か後天的か
  (3)子どもの絵と無意識の深層心理
 第2節 宮武の幼児美術教育方法論の成果
  1 認識主義派の選出画と感覚・感情主義派の評価
  2 宮武指導の児童画に対する評価の実際
  3 『児童画評価シリーズ1』から見えてくるもの
  (1)宮武の幼児美術教育方法論の特質
  (2)感覚・感情主義派の宮武と認識主義派の交差
 第4章の結論

終 章 本研究の結論と意義
 第1節 本研究の結論
 第2節 本研究の意義
 第3節 今後の課題

補 論 三歳未満児の絵を通した保育カンファレンス
    ─宮武辰夫の実践についての新たな視点─
  1 はじめに
  2 「絵を見る会」の記録から
  3  日々の保育実践と「絵を見る会」と「夢を織る会」 【勝亦陽子】
  4  子どもの絵の中に融合する社会 【浜口順子】
  5 おわりに

 注
 宮武辰夫の年譜と関連年表
 あとがき
 文献一覧
 人名索引
 事項索引
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