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19世紀「鉄と蒸気の時代」における帆船 

著者
吉田 勉/日本産業技術史学会学会賞 
シリーズ
 
助成
 
判型
A5 
ページ
256 
定価
3,190円 (本体2,900円 )
発行日
2020年4月5日 
ISBN
ISBN978-4-86327-519-5 
Cコード
C3022 
ジャンル
歴史・考古・民族/欧米
 
内容
産業革命における機械化の時代を経てなお物資の輸送が帆船によって担われ続けた要因について、船舶における技術的変遷を基礎に、貿易統計その他の史料より分析する。
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はしがき

序章 問題の所在、及び課題と検証方法
1 帆船から蒸気船への移行時期に関するこれまでの論点
2 本書の課題と検証方法
3 Lloyd’s Registerについて
序章の注

第1章 19世紀における造船技術と海運
1.1 19世紀に至るまでの造船技術の進歩の概要
 1.1.1 科学的な造船業
 1.1.2 船型研究
 1.1.3 船体強度に関する研究
 1.1.4 帆船の建造技術
 1.1.5 木造帆船の建造手順
 1.1.6 帆船の船型について
1.2 蒸気船の登場
 1.2.1 実用蒸気船の始まり
 1.2.2 鉄船の建造と鉄製蒸気船の建造
 1.2.3 19世紀における造船研究
1.3 海運
 1.3.1 貿易航路の進展
 1.3.2 帆船の航路と風及び海流
 1.3.3 船舶需要の増大
  (1)貿易額の拡大
  (2)部門別輸出入額の変遷
  (3)再輸出額の変遷
 1.3.4 輸送量
  (1)輸入量
  (2)輸出量
 1.3.5 新造船舶の建造
 1.3.6 人口の都市集中による
食料輸入の増加と船舶需要
1.4 船舶建造と造船用木材の不足
 1.4.1 造船用木材不足の主要因
 1.4.2 造船用木材不足に対する対応とその問題点
 1.4.3 造船用森林資源の保護対策とその結果
 1.4.4 造船用木材不足に対する対策
  (1)外国木材の輸入
  (2)造船用木材保管方法による損失対策
  (3)造船部材としての鉄の使用
  (4)船舶不足に対する応急的対策
第1章の注

第2章 舶用蒸気機関の開発の遅れ
2.1 19世紀前半期の舶用蒸気機関の実情
 2.1.1 舶用蒸気機関の問題点
 2.1.2 なぜ蒸気船は大型化したのか
 2.1.3 舶用蒸気機関の利用範囲の拡大
2.2 外車 からスクリュ-・プロペラへの推進方法の変更
2.3 単気筒蒸気機関の種類
 2.3.1 外車推進蒸気船用単気筒蒸気機関
  (1)ビ-ム・エンジン
  (2)サイドレバ-・エンジン
  (3)オッシレ-ティング・エンジン
  (4)スティ-プル・エンジン
  (5)ダブルシリンダ・エンジン
  (6)ダイアゴナル・エンジン、及び
ホリゾンタル・エンジン
 2.3.2 スクリュ-・プロペラ
推進蒸気船用単気筒蒸気機関
(1)トランク・エンジン、及び
    リタ-ン・コネクティング・ロッド・エンジン
(2)倒置縦型機関
第2章の注

第3章 物資輸送手段としての蒸気船と帆船
3.1 蒸気船による大西洋横断
3.2 クリッパ-の登場とその発展
 3.2.1 アメリカの帆船建造技術の進歩
 3.2.2 アメリカのクリッパ-による中国交易への参入
3.3 木鉄交造船の登場
 3.3.1 英国の帆船建造技術の停滞
 3.3.2 木鉄交造船の建造
3.4 造船部材の変遷
 3.4.1 船体材料の変遷
 3.4.2 帆船における鉄及び鋼材の使用
 3.4.3 蒸気船における鉄及び鋼材の使用
第3章の注

第4章 帆船の優位を継続させた他の要因
4.1 省人化の推進による運賃の低減
4.2 船底への銅板被覆技術と電食の防止
4.3 海洋に関する科学的研究の進歩
4.4 移民の急増と金鉱の発見
4.5 イギリス造船技術の停滞と法・条例の問題点
 4.5.1 トン税測定法の変遷
 4.5.2 航海条例の制定と廃止までの経緯
 4.5.3 商船法の制定
4.6 蒸気船と郵便補助金政策
 4.6.1 郵便輸送における帆船から蒸気船への移行
 4.6.2 郵便輸送蒸気船の進歩の遅れ
 4.6.3 郵便補助金政策への疑問と変質
 4.6.4 郵便補助金政策の弊害
第4章の注

第5章 スエズ運河の開通とそのインパクト
5.1 2段膨張機関の発明
 5.1.1 2段膨張機関とは
 5.1.2 Holt 社の快挙と2段膨張機関装備の一般化
5.2 スエズ運河開通の意義
 5.2.1 スエズ運河の竣工
 5.2.2 スエズ運河が海運業に与えた影響
 5.2.3 航海距離の短縮とその影響
5.3 スエズ運河開通後の蒸気船と帆船
 5.3.1 蒸気船に与えた影響
―いわゆる「スエズ・マックス」問題―
 5.3.2 帆船に与えた影響
5.4 帆船の延命とインフラストラクチュアの整備
 5.4.1 給炭基地の整備
 5.4.2 給炭基地への石炭輸送
 5.4.3 港湾設備の整備
 5.4.4 輸送手段に対する海運業者の選好
 5.4.5 帆船の側での経営努力
第5章の注

第6章 帆船から蒸気船への移行時期の再考
6.1 帆船と蒸気船の技術的進歩の概要
6.2 造船と製鉄業の進歩
6.3 造船と工作機械の進歩
6.4 技術複合体としての帆船
6.5 技術複合体としての蒸気船
 6.5.1 船体と推進器
 6.5.2 ボイラの進歩
 6.5.3 復水器の進歩
 6.5.4 19世紀最後の25年間における蒸気機関の進歩
6.6 技術複合体的見地からの移行時期
第6章の注

おわりに

付図1 物資輸送用蒸気船への道のり(1)
付図2 物資輸送用蒸気船への道のり(2)

参考文献

索引

あとがき
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