検索結果一覧

説明的文章の読解方略指導研究 ―条件的知識の育成に着目して―

著者
古賀洋一 
シリーズ
 
助成
2019年度学術振興会助成 
判型
A5 
ページ
564 
定価
7,700円 (本体7,000円 )
発行日
2020年2月10日 
ISBN
ISBN978-4-86327-501-0 
Cコード
C3081 
ジャンル
国語・漢文教育〈読みの指導〉
 
内容
児童・生徒が読みの方略を柔軟に活用し、自力で文章を読みとけるようになるためには、条件的知識(「その方略はいつ、何のために使えば良いのか」に関する知識)についての学びが欠かせない。本書は、説明的文章の読みの授業を研究領域とし、育てたい条件的知識の系統性や、その学習過程、指導方法、カリキュラムについて、理論と実践の両面から考究した。
渓水社で購入する

購入冊数

オンライン書店で購入

この本の目次を見る
序章 研究の目的と方法

 第1節 研究の目的
 第2節 研究の方法
 第3節 研究の意義

第1章 読解方略指導の観点から見た説明的文章指導研究と授業実践の成果と課題

 第1節 読解方略の概念規定
  第1項 読解方略を構成する知識
  第2項 読解方略の階梯的性質
  第3項 読解方略の概念規定

 第2節 読解方略指導の観点から見た説明的文章指導研究の成果と課題
  第1項 読解方略概念から導き出される検討の観点
  第2項 説明的文章の読み方の拡張とその背景
  第3項 主体的な読みを重視する説明的文章指導論の提唱
  第4項 心理学の知見を援用した説明的文章指導研究の現在的展開
  第5項 説明的文章の読みのカリキュラム研究を取り巻く問題状況
  第6項 読解方略指導の観点から見た説明的文章指導研究の成果と課題

 第3節 説明的文章の読みの授業実践における読解方略指導の展開
     -2000年以降を中心に-
  第1項 分析の枠組みと手順の設定
  第2項 分析対象の選定と分析例の提示
  第3項 「指導目標」と「読解方略の階梯的性質」の観点からの分析
  第4項 「読解方略の階梯的性質」と「学年段階」の観点からの分析
  第5項 指導過程上における学習活動の位置づけの分析
  第6項 読解方略指導を観点とした授業実践の成果と課題
 
 第4節 説明的文章指導研究と授業実践の検討を通した研究課題の設定


第2章 中学校説明的文章教材の論証の方略的読みの系統性

 第1節 説明的文章の読み方の読解方略としての捉え直し
  第1項 説明的文章の読み方を方略として捉え直すための枠組み
  第2項 分析対象の選定と分析の手順の設定
  第3項 文章読解過程における読み方の位置
  第4項 「読解前」の読み方の捉え直し
  第5項 読みの目的との関係を観点とした「読解中」の読み方の捉え直し
  第6項 「読解前」「読解中」との関係を観点とした「読解後」の読み方の捉え直し
  第7項 説明的文章の読解方略の類型

 第2節 論証の読解方略の拡張-「物語」による論証の観点から-
  第1項 「物語」による論証に着目する理由
  第2項 「物語」の構造と説得的機能
  第3項 教材分析-「壁に残された伝言」を対象として-
  第4項 読解方略の導出

 第3節 論証の方略的読みにおける条件的知識の記述
  第1項 方略的行為の諸水準
  第2項 文章読解過程における条件的知識の機能とその記述
  第3項 論証の方略的読みにおける条件的知識の記述

 第4節 中学校説明的文章教材の論証の方略的読みの系統性
  第1項 分析対象の選定と分析の手順の設定
  第2項 単独の論証から階層的な論証構造への発展-中学校一年生段階-
  第3項 論証と修辞、説得的定義の「統合」-中学校二年生段階-
  第4項 イデオロギー批評への発展-中学校三年生段階-
  第5項 中学校説明的文章教材の論証の方略的読みの系統性

第3章 〈説明的文章の読解方略の自己調整学習モデル〉の構築

 第1節 自己調整学習モデルの検討
  第1項 心理学における方略研究の成果と課題
  第2項 自己調整学習理論に着目することの意義
  第3項 情報処理理論にもとづく自己調整学習モデルの検討
  第4項 社会的認知理論にもとづく自己調整学習モデルの検討
  第5項 社会構成主義にもとづく自己調整学習理論の検討

 第2節 〈説明的文章の読解方略の自己調整学習モデル〉の構築
  第1項 自己調整学習理論を援用するうえでの課題
  第2項 読解方略における条件的知識の学習モデルとしての捉え直し
  第3項 〈説明的文章の読解方略の自己調整学習モデル〉の構築

 第3節 〈説明的文章の読解方略の自己調整学習モデル〉の有効性を検証する観点

第4章 条件的知識の学習過程の解明-授業観察を通して-

 第1節 中学校の読解方略指導における条件的知識の学習過程の解明
  第1項 授業実践の分析の観点
  第2項 分析事例の選定と授業実践の概要
  第3項 条件的知識の学習を促進する授業の構成
  第4項 条件的知識の学習を促進する協同的過程
  第5項 条件的知識の学習過程における「読みの困難」と手続き的知識の結合
  第6項 中学校の読解方略指導における条件的知識の学習過程

 第2節 小学校高学年の読解方略指導における条件的知識の学習過程
  第1項 授業実践の分析の観点
  第2項 分析事例の選定と授業実践の概要
  第3項 各授業実践における条件的知識の学習の深まり
  第4項 小学校5年生の授業実践における条件的知識の学習過程
  第5項 小学校6年生への展開
  第6項 小学校高学年の条件的知識の学習可能性とカリキュラムへの示唆

 第3節 〈説明的文章の読解方略の自己調整学習モデル〉の再構成

第5章 条件的知識の指導方法の検証-中学生への実験授業を通して-

 第1節 階層的な論証構造を読解することの難しさ

 第2節 〈二種類の「文脈」の配列〉の有効性の検証-実験授業Ⅰを通して-
  第1項 〈二種類の「文脈」の配列〉の提案と仮説の設定
  第2項 実験授業Ⅰの概要
  第3項 量的分析を通した仮説の検証
  第4項 条件的知識の学習過程の事例的分析
  第5項 実験授業Ⅰの成果と課題

 第3節 〈自己調整学習過程を反映した指導過程モデル〉の有効性の検証
     -実験授業Ⅱを通して-
  第1項 〈自己調整学習過程を反映した指導過程モデル〉の提案と仮説の設定
  第2項 実験授業Ⅱの概要
  第3項 指導過程の有効性の検証
  第4項 条件的知識の学習過程の事例的分析
  第5項 実験授業Ⅱの成果と課題

 第4節 単独の論証から階層的な論証の読解への移行-実験授業Ⅲを通して-
  第1項 実験授業Ⅲの概要
  第2項 学習者の記述に見る階層的な論証の読解状況
  第3項 単独の論証から階層的な論証の読解への協同的な移行過程
  第4項 単独の論証から階層的な論証の読解への移行を促す授業の要件

第6章 論証の読解方略指導のカリキュラムの構築-中学校を対象に-

 第1節 授業観察と実験授業から得られるカリキュラムへの示唆
  第1項 論証の読解方略指導の段階性-意見の産出を目的とした指導に向けて-
  第2項 レトリックの読解方略指導と論証の読解方略指導の接続

 第2節 論証の読解方略指導のカリキュラム

終章 本研究の成果と課題

引用・参考文献一覧
あとがき
戻る