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サンフランシスコ平和条約の盲点 ―アジア太平洋地域の冷戦と「戦後未解決の諸問題」―

著者
原 貴美恵 
シリーズ
 
助成
 
判型
A5 
ページ
320 
定価
3,080円 (本体2,800円 )
発行日
2011年12月20日 
ISBN
ISBN978-4-86327-204-0 
Cコード
C3031 
ジャンル
歴史・考古・民族/アジア 政治・経済・法律
 
内容
北方領土、竹島、尖閣列島等の主権帰属や海峡問題などが、なぜ未解決なのか。サンフランシスコ平和条約で未処理におかれた経緯を詳細に検討、その体制の現代的意味と日本の未来を考察。《新幀版》
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はじめに

序 章 アジア太平洋地域の「冷戦」再考

    アジア太平洋地域における「冷戦の終焉」?/アジア太平洋における冷戦の出現と展開-ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ/欧米における「冷戦の終焉」とアジア太平洋の「デタント」?/サンフランシスコ平和条約と地域紛争

第一章 「朝鮮」処理―朝鮮半島問題と竹島

 ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ
    戦時国際合意/ヤルタ構想/ポツダム/一般命令第一号/モスクワ外相会議/二つの朝鮮政府設立/朝鮮戦争
 「未解決の諸問題」へ―対日平和条約における「朝鮮」と竹島(独島)処理
    米国による対日領土処理初期検討/平和条約初期草案/条約の起草再開とシーボルド意見書/ダレスと平和条約草案/英国草案/英米共同草案/朝鮮の地位/大韓民国政府による草案修正要請/サンフランシスコ講和会議/「李ライン」宣言
 サンフランシスコ講和後
    朝鮮の地位/竹島―資源開発、国際法、問題の複雑性
 総括

第二章 「台湾」処理―台湾海峡問題

 ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ
    戦時国際合意/ヤルタ構想/二つの中国/「非介入」から「封じ込め」へ/英国の中国政策
 「未解決の諸問題」へ―対日平和条約における「台湾」処理
    米国による初期検討/平和条約初期草案/条約の起草再開とシーボルド意見書/ダレスと平和条約草案/英国草案/米英共同草案/サンフランシスコ講和会議
 サンフランシスコ講和後
    台湾の地位/尖閣列島問題
 総括

第三章 「千島」処理―北方領土問題

    二国間国境線画定の歴史的変遷
 ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ
    ヤルタ構想―強調と代償/ポツダム/一般命令第一号―占領を巡る駆け引き/降伏文書/モスクワ外相会談/サンフランシスコ平和条約
 「未解決の諸問題」へ―対日平和条約における「千島列島」処理
    日本の講和準備/米国による初期検討/千島列島とミクロネシアの信託統治/平和条約初期草案/条約の起草再開とシーボルド意見書/ダレスと平和条約草案/英国草案/米英共同草案/サンフランシスコ講和会議
 サンフランシスコ講和後
 総括

第四章 ミクロネシア処理―「アメリカの湖」へ

 ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ―冷戦とミクロネシア
    ヤルタ構想―国連信託統治/サンフランシスコ体制の中のミクロネシア―戦略的信託統治
 「未解決の諸問題」へ―対日平和条約におけるミクロネシア処理
    米国による初期検討―ヤルタ構想の舞台裏/国連発足の舞台裏で/「アメリカの湖」へ―関係国の反応と米国の対応/平和条約草案準備とミクロネシア処理
 サンフランシスコ講和後―信託統治の終焉
 総括

第五章 南極

    日本と南極大陸―探査、捕鯨及び領土的関心
 ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ―冷戦と南極
    ヤルタ構想と南極/サンフランシスコ体制と南極
 「未解決の諸問題」―対日平和条約における南極処理
    米国による初期検討/平和条約初期草案/条約の起草再開/ダレスと平和条約草案/英国草案/オーストラリアとニュージーランド/米英共同草案
 サンフランシスコ講和後
 総括

第六章 「南沙及び西沙諸島」処理―南海諸島係争

    第二次大戦前と後での南海諸島係争の違い
 ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ
    戦時国際合意/ヤルタ構想と南海諸島/終戦と東南アジア/終戦後の南海諸島
 「未解決の諸問題」へ―対日平和条約における南沙及び西沙諸島処理
    米国による初期検討/平和条約初期草案/条約の起草再開/ダレスと平和条約草案/一九五一年四月英案、五月英米草案/フランスによる南沙及び西沙諸島条項の掲載要請/インドシナ連合三国の国際承認/サンフランシスコ講和会議
 サンフランシスコ講和後
 総括

第七章 「琉球」処理―沖縄と尖閣列島問題

    ヤルタ構想からサンフランシスコ体制へ―冷戦と沖縄・尖閣
 「未解決の諸問題」へ―対日平和条約における沖縄・尖閣処理
    米国による初期検討/平和条約初期草案/条約の起草再開/ダレスと平和条約草案/英国草案/英米共同草案/サンフランシスコ講和会議―ダレスの「潜在主権」発言
 サンフランシスコ講和後
    「ダレスの脅し」/沖縄返還と基地問題/日中の領土係争―沖縄から尖閣列島問題へ/米国と尖閣列島問題/国連海洋法と尖閣―「沖縄問題」の再燃
 総括

終 章 サンフランシスコ体制と地域紛争

    地域冷戦/リンケージ/多国間枠組み・国際化/歴史と未来

あとがき
参考文献
索  引

原 貴美恵(はら きみえ)
オーストラリア国立大学博士課程修了(国際関係論Ph.D 1997年)。カルガリー大学助教授(1997-2000年)同大学准教授(2000-2004年)を経て、現在、ウォータールー大学教授、及び同大学レニソン校東アジア研究所長。その間、ロシア科学アカデミー東洋学研究所、イースト・ウエスト・センター(米国)、東京大学、東京外国語大学、京都大学、アムステルダム大学にて客員研究員。アジア太平洋地域の国際関係が専門。
著書に Japanese-Sussian Relations since 1945:A Difficult Peace (London/NewYori:Routledge, 1998) など英文著作多数。カナダ在住。
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