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イスラエルのアラブ人キリスト教徒 ――その社会とアイデンティティ――

著者
菅瀬晶子 
シリーズ
 
助成
08年度学術振興会助成 
判型
A5 
ページ
240 
定価
4,180円 (本体3,800円 )
発行日
2009年2月1日 
ISBN
ISBN978-4-86327-044-2 
Cコード
C3039 
ジャンル
歴史・考古・民族/欧米
 
内容
アラブ人市民であるメルキト派カトリック信徒について、ガリラヤ地方での2年余の調査と歴史的、社会的、宗教的背景から考察。アイデンティティの形成と様相を研究する。
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はじめに
図・表・写真リスト
本書における留意点

序 章
 第一節 本書の目的とその論点
  1-1 本書の目的
  1-2 イスラエル国内におけるアラブ人市民研究
  1-3 マイノリティのエスニック・アイデンティティ論
 第二節 調査の概要と構成
  2-1 調査の概要
  2-2 本書の構成

第一章 イスラエルのアラブ人市民、メルキト派カトリック概論
 第一節 調査地の概要と歴史的背景
  1-1 イスラエル国について
  1-2 イスラエルのアラブ人市民について
   1-2-1 「イスラエル・アラブ」か「イスラエルのパレスチナ人」か
   1-2-2 ハイファのアラブ人市民
 第二節 メルキト派カトリック概論
  2-1 宗派の成立と発展
  2-2 ガリラヤ地方とメルキト派カトリック
   2-2-1 アラブ・ナショナリズムの萌芽
   2-2-2 ジョルジュ・ハキーム司教の功罪
   2-2-3 カプッチ事件とその余波
  2-3 イスラエル国内における信徒の現状
 小活 周縁にとどまる人びと

第二章 村落とその社会――F村の事例――
 第一節 F村の概観
  1-1 F村の置かれた環境
  1-2 メルキト派村としてのF村の歴史と現状
 第二節 血縁の力とその影響
  2-1 ダールとは
  2-2 ダールの歴史と序列
   2-2-1 F村における各ダールの分類と序列
   2-2-2 F村墓地の配置にみるダールの序列
 第三節 村落における行政システムとダールの影響力
  3-1 有力ダールが村議会に与える影響
  3-2 村議会制に残る旧制度の名残
  3-3 有力ダールの婚姻関係と村議会制
   3-3-1 ダール内婚姻
   3-3-2 ダール外・村落内婚姻
 第四節 労働シオニズム政党、メルキト派カトリック教会とダールの関係
  4-1 労働シオニズム政党の影響力
   4-1-1 シャベル・フーリーのマパイ入党
   4-1-2 村民の意識の変化
  4-2 超越されるダール
   4-2-1 ダールへの帰属意識を超える身内概念
   4-2-2 「メルキト派信徒であること」がもたらすひろがり
  小活 F村村民のアイデンティティとは

第三章 村落から都市へ
 第一節 ハイファにおけるアラブ人社会
  1-1 ワーディ・ニスナース
   1-1-1 ナクバ以前
   1-1-2 ナクバの衝撃とその後
  1-2 ワーディ・ニスナースにおけるメルキト派信徒
 第二節  移住者メルキト派カトリック信徒の生活
  2-1 集う同郷の人びと
   2-1-1 ウンム・イブラーヒームと近隣のF村出身者たち
   2-1-2 移住の理由と都市での暮らし
  2-2 親族の紐帯に守られる
   2-2-1 「コーヒーを飲もうよ」
   2-2-2 葬儀と婚姻にみる村との紐帯
   2-2-3 「ローマ・カトリックのほうが『近い』」?
 第三節 メルキト派カトリック信徒と他者の関係
  3-1 F村出身以外のメルキト派信徒
   3-1-1 F村以外からの移住者
   3-1-2 ハイファ在来者
  3-2 ギリシャ正教徒
  3-3 ムスリム
  3-4 ユダヤ人市民
  小活 帰属意識の重心移動

第四章 都市ハイファにおけるメルキト派カトリック信徒の帰属意識
 第一節 移住者と在来者、メルキト派カトリック教会とローマ・カトリック教会
  1-1 どの聖堂へ通うか
  1-2 なぜ通うか
 第二節 依存か協力か
  2-1 一般信徒と教会の関係
   2-1-1 教会上層部と一般信徒の乖離
   2-1-2 教会から離れる人心、その理由
  2-2 学校教育
   2-2-1 カルメル、カルメリート両校
   2-2-2 学校設立の目的と現在の役割
   2-2-3 学校関係者のローマ・カトリック観
  2-3 福祉活動
  2-4 それでもメルキト派信徒であるために
 第三節 祭礼の役割
  3-1 マール・エリヤス祭
  3-2 聖母巡礼祭
  3-3 「巨大な容れ物」としてのローマ・カトリック
  小活 メルキト派信徒としてのアイデンティティ、移住者の場合

第五章 複合的・重層的アイデンティティの形成
 第一節 メルキト派カトリック信徒のアイデンティティ
  1-1 身内概念の変遷
   1-1-1 村落における身内概念
   1-1-2 都市における身内概念
  1-2 複合的・重層的アイデンティティの諸相
 第二節 自己表象の語りにみるアイデンティティの分裂と救済
  2-1 メルキト派カトリック信徒自身による自己表象の語り
  2-2 引き裂かれるアイデンティティ
   2-2-1 自己表象の語りに隠された意味
   2-2-2 「アラブ」、「パレスチナ」、「イスラエル」のはざまで
  2-3 イスラエルのメルキト派カトリック信徒の特質
 結 論 融合し、収斂されるアイデンティティ


あとがき
引用文献一覧
付属資料
 1 第二章第二節第二項 F村のシャンマースは何人いるか
 2 第二章第三節第三項 ダール内婚姻の事例
 3 第四章第二節第二項 カルメル、カルメリート両校の関係者たちのローマ・カトリック観

関連年表
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