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学校教育の時間論的転回
- 中井孝章
- A5
- 264
- 2,200円 (本体2,000円 )
- 2003年12月25日
- ISBN978-4-87440-804-9/ISBN4-87440-804-4
- C3037
- 教育〈学校教育〉
- 生徒同士による学校時間の間主観的構成を中心に論述。生徒の様々な時間意識を分類し、教師と生徒間の間主観的時間意識の創出プロセスを生徒指導実践と学習指導実践から見出す。
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- 序
第1部 学校の時間論的構成
1. 「学校時間」の構造
2. 陶冶的時間意識の構造――現在の超越――
3. 現在志向的時間意識の構造――現在の充実――
4. 学びの時間意識――現在の完結――
4. 1 「出会い」と「学び」
4. 1 「学び」と暗黙知
5. 学校における儀式と祝祭――間主観的時間の創出(1)――
5. 1 非日常的時間意識の構造――永遠の現在――
5. 2 非日常的時間意識としての儀式――入学式・卒業式を中心にして――
5. 3 反日常的時間意識としての祝祭(狭義)――運動会を中心にして――
6. 教師の指導意識の変革と生成としての教育実践
――間主観的時間の創出(2)――
6. 1 指導意識の諸段階――計画的思惟を超えて――
6. 2 フロー経験と間主観的状況の創出
6. 2. 1フロー状態における内的意識の構造/6. 2. 2忘却としての教育実践/6. 2. 3生成としての教育実践――言葉の生成への立ちあい――
7. 学校における時間意識の全体構造
第2部 教育関係の時間論的転回
1. 教育関係の日常的契機
1. 教育的出会いの契機
1. 1 目が合うことの意味――「見る―見られる」の相互志向性――
1. 2 教育関係における対象認識の理論
1. 2. 1パノプティコン的まなざしの陥穽/1. 2. 2「してあげる」という自意識の陥穽
2. 教育関係の継続的契機
2. 1 生きられた〈声〉と対象化された〈声〉
2. 2 相互シンクロニーとタイミング
3. 教育的実践のリアリティー
4. 教育関係の成立条件
2. 教育関係の非日常的契機――教育的対話――
1. 教師と生徒の間――間主観性の領域――
2. 「教師―生徒」関係における対話の構造――対話のパトスとロゴス――
2. 1 対話のパトス的次元
2. 2 対話のロゴス的次元
3. 生徒の語りかけと教師の応答行為――呼びかけとしての教師の「聴く」行為――
3. 1 語ることの本質
3. 2 対話の成熟する時間性――異他性の内化の過程――
3. 3 教育的イロニーとしての「応答=問い」
3. 4 教師の共感的理解と批判的な問い
4. 対話による、対話への教育
3. 教育関係の反日常的契機――遊びとしてのコミュニケーション――
1. 伝えるコミュニケーションと伝えないコミュニケーション
2. パラドックスとしての教育的コミュニケーション――学校におけるダブル・バインド状況――
3. 教育におけるダブル・バインドの解法――遊びとしてのコミュニケーション――
4. 「フレーム」変形としての言葉遊びの可能性
第3部 教育実践の時間論的転回
1. 言葉の教育実践の日常的契機
1. 読書行為の変容――近代読者の誕生――
2. 身体の縮小・化としての「意味へと急ぐ読み=黙読」
3. 近代読者に向けての教育――その効用と限界――
4. 身体の拡大化としての「味わう読み=音読・朗読」
4. 1 音読・朗読の本質
4. 2 音読・朗読のリズムと余白の動態
5. 音読・朗読の深層へ――有文字文明の呪縛を超えて――
2. 言葉の学習の非日常的契機――素読の復権――
1. 言葉の儀式化としての素読
2. 素読とは何か――現代的観点から――
3. 素読から見た学校教育の問題点
4. 人格知としての言葉――國弘正雄による「只管朗読」の方法――
3. 言葉の教育実践の反日常的契機
1. 学校の言語観としての大分水嶺理論
2. 言語の対話モデルの基礎と展開
2. 1 言語交通の内容から形式へ
2. 2 言語の対話的定位――言語のモノローグ形態を超えて――
2. 3 引用行為としての言語表現
3. 視点論による文学教育実践の読解――『スイミー』の授業分析を手がかりにして――
3. 1 ドラマとしての教育実践
3. 2 暗黙知としての視点と〈見え〉戦略
3. 3 句読点の有意味性と声の再生
4. 多声体の作品としての教育実践
4. 言葉の教育実践の反日常的契機としての共同制作――「学びの共同体」の生成――
1. 学校教育における読み書き観の検討
2. 共同制作による「学び共同体」の創造――「読み手→←聞き手(書き手)」の相互変換――
2. 1 共同制作の場の組織化と編集――場のモデルと連句モデル――
2. 2 新聞作りと群読――場のモデル――
3. 連句の授業実践と共生の作法――連句モデル――
3. 1 連句の構造と言葉遊び
3. 2 付け句でつながる連句の授業実践――近藤真のリテラシー革命――
4. 共同制作の教育実践が描く新たな学校像
付論 言葉の原初としての音への立ちあい――「音の教育」の構築に向けて――
1. 西欧音楽における「楽音=記号」主義と「学校音楽」のパラドックス
2. 聴取空間の構造とそのタイポロジー――聴取態勢の現象学――
3. 音風景の構成法と聴取のエコロジー――「モノとしての音」から「コトとしての音」へ――
3. 1 子どもの音風景の生態――相貌的思考の豊かさ――
3. 2 環境音楽の異日常性と身体性――音楽認識の転換――
4. 「音の教育」の展開――「音による教育」から「音の教育」へ――
5. 身体感覚の覚醒契機としての「音の教育」
文献リスト(著者)
あとがき